ペットの飼育が難しい賃貸でも比較的飼いやすい「犬・猫以外のペット」6選

お子さんに「ペットを飼ってみたい」と言われたとき、飼ってあげたいと思っていても、「ペット禁止」の賃貸に居住していたり、騒音や臭いが心配だったりして、具体的な行動に移せていないという人もいらっしゃるのではないでしょうか。

実はペットの飼育が難しい住環境でも、犬・猫以外の比較的飼いやすい小動物も存在します。

この記事ではそういった動物たちについて紹介していきます。
目次

ペットの飼育が難しい賃貸でも比較的飼いやすいペット

戸建てと違い、マンションやアパートなどの集合住宅は、ペットを飼育する場合、騒音や臭い問題にひときわ配慮する必要があります。

今回紹介するのはそういった問題が起こりにくい動物たちですが、賃貸の場合は、そもそもペット禁止なのか、また、どんなペットなら飼ってもいいのか、事前に必ず管理会社に問い合わせておきましょう。

ハムスター

ネズミによく似たハムスターは、リスやビーバー、ネズミと同じげっ歯類で、キヌゲネズミ科の生物。野生のハムスターは、種子のほか植物や昆虫も食べる雑食性です。

購入費も維持費もリーズナブルで、初めてペットを飼う人が選ぶことも多いそう。小さくてかわいらしい姿に、虜になってしまいそうですね。

「ゴールデンハムスター」「ジャンガリアンハムスター」「ロボロフスキーハムスター 」などが有名です。

ハムスターは非常に臆病で警戒心も強いため、犬や猫に比べたらなつきにくいです。手をかまれることもあるかもしれませんが、どうか怒らずに……。優しくなでたり、手のひらに乗せたりして、じっくり時間をかけて仲良くなりましょう。

エサが欲しいときなど飼い主に何か要求がある場合に「キュッ」、怒っているときには「ジー」と、鳴き声をあげることがあります。ただ、小さい声なので、特に気にならないでしょう。

ハムスターは、夜行性、あるいは薄明薄暮性(明け方や夕方の薄暗いとき間帯に活動)なので、昼間はほとんど寝ています。夕方以降に触れ合いの時間がもてるので、夕方以降に家にいることが多い人におすすめ。

ただ夜はかなり活発に動き、回し車の音などが大きいため、ゲージを寝室に置く時は注意が必要です。

またハムスターは縄張りを意識する動物。多頭飼いすると、ケンカをしたり、繁殖して増えすぎたりすることも。ロボロフスキーハムスター 以外は、1ケージに1匹飼いが基本です。

例:ゴールデンハムスター
大きさ体長はオス・メスともに20cm未満
白地に茶色の模様など
寿命平均2年から3年

モルモット

モルモットは、長年ペット用として改良されてきた、テンジクネズミ属の一種。つぶらな目、小さな丸い耳、ころんとした体がとてもかわいらしいです。動物園などのふれあいコーナーで見たことがある人も多いかもしれません。

モルモットは草食動物で、主食は野菜や果物。じつは夜行性だといいます。

もともとは、敵から身を守るために群れで暮らしており、物音や気配に敏感で警戒心が強いものの、好奇心旺盛で人懐っこい面も。慣れてくると、甘えた声で鳴いたり、スキンシップを求めてきたり、名前を呼ぶ声に反応したりと、飼い主とのコミュニケーションがとれるのも魅力。

モルモットの寿命は約4~8年。体長は約20~40cm、体重は0.5~1.5kg程度。群れで暮らしていたため、多頭飼いも可能ですが、繁殖力が高く、1度に産む赤ちゃんの数が多いので、あっという間に増えることもあるので注意が必要です。

キューキューといったような鳴き声を出しますが、犬や猫に比べると小さく、草食動物なので臭いもあまりしません。賃貸でも飼いやすいペットといえます。

ペットとしては、毛が短くて直毛の「イングリッシュモルモット」、毛が長くて巻き毛の「アビシニアンモルモット」などがいます。毛色は、白や茶色、グレーなど、種類や個体によって異なります。

例:イングリッシュモルモット

大きさ体長約20~40cm
白地に茶色の模様など
寿命約4~8年

ウサギ

特徴的な長い耳のウサギ。ふわふわのやわらかい毛、愛くるしい表情や仕草からは、癒しをもらえそうですよね。

ウサギはウサギ目ウサギ科に属する動物で、現在ペットとして育てられているウサギは、アナウサギを品種改良したものといわれています。もともとは草原や森林、半砂漠地帯、雪原、湿原などに生息していました。多くは草食動物で、草や木の葉、樹皮、果実などを食べます。

警戒心が強く、すぐに人には慣れませんが、ゆっくりと慣れていき、自分から身をすり寄せてきたり、じっと見つめてきたり、コミュニケーションがとれるようになります。

ウサギは声帯がないため、鼻を鳴らすような音や全身を使って感情を表します。危険を感じたり怒っているときには、後ろ足で地面を強く踏み鳴らす「スタンピング」という動作をしたり、「キイーッ」という鳴き声のような音を出したりすることもあります。

もともとは夜行性ですが、飼育動物として長く人と暮らしてきたため、昼行性に変化しました。1日に短い睡眠を何度もとる性質があるので、昼間、夜問わず、触れ合う時間がもてます。

犬や猫のような鳴き声の大きさを気にしなてくすむので、賃貸でも飼いやすいでしょう。

ただし、ウサギは寒さに強く、暑さに弱い生き物。温度管理には注意してください。また、同じケージ内での多頭飼いはおすすめできません。

電子機器のコードや観葉植物などを噛んだりすることもあるので、部屋で遊ばせるときには注意が必要です。

ウサギの寿命は平均で8年くらいといわれています。ペット用のウサギは49品種ほどの種類があり、体重が1~2kgの小型種、2~4kgの中型種、それ以上の大型種とさまざま。体長も種類によって異なり、25~35cmくらいのものが多いです。

毛色は品種改良もあって、色も長さも多彩ですが、褐色・灰色・黒・白・茶色・赤茶色・ぶち模様などで、じつにバリエーション豊かです。

代表的な品種は、「ネザーランドドワーフ」・「ホーランドロップ」・「ミニレッキス」など。

例:ミニレッキス

大きさ体長約25~35cm
白色・灰色・茶色など
寿命平均8年

リス

フサフサの尻尾が特徴的で、つぶらな瞳がかわいいリス。軽やかに木に登り、駆け回る姿に、森をイメージする人もいるでしょう。あるいは、ディズニー・アニメに登場する「チップ&デール」を思い出す人もいるかもしれません。

ネズミ目(齧歯目)リス科に属するリスは、森の中に生息し、地面に穴を掘ってつくった巣穴や、樹木の洞を巣穴として使ったりして暮らしています。

リスは、すばしこくて木登りがとても上手。枝から枝へ飛び移ったり、駆け抜けたり、エサを探して森の中を駆け回っています。

単独で行動し、明るい時間になると起き出し、夕方になると巣穴へ戻り、朝まで休みます。野生のリスは雑食性で、草やキノコ類、木の実や果実のほか、樹液や昆虫、カエルまで、さまざまなものを食べます。

リスはペットとしてはまだそれほどメジャーではなく、野性味を強く残す生き物ですが、きちんとリスの習性を知り、気持ちに向き合えば、豊かな関係を築くこともできます。名前を呼んだら振り向いてくれる、おやつを見せると喜ぶなど、愛らしい姿や表情を見せてくれることでしょう。

もともと、単独で行動する生き物なので、縄張り意識や自己主張が強く、多頭飼いにはあまり向きません。

飼育下のリスのエサは、雑穀や種子類、野菜や果物がメインになるので、排泄物は犬や猫に比べると臭いません。マンションなどの室内でも飼いやすいといえるでしょう。

ただし、リスを飼う場合の注意点もあります。

ケージから出すときは、コンセントや輪ゴムなど口にすると困るものを片付けておく、不衛生な家具のすき間のほうに行かせないようにする、逃げ出したりしないよう、窓やドアをきちんと閉めるなど。

また、リスは寒い時期になると、冬眠に入ることがあります。飼育下での冬眠は難しいことも多いので、冬眠はさせないほうが安心です。基本的には冬も暖かい環境を保ちましょう。暑さも寒さも苦手なので、年中温度管理が必要です。

また、繁殖期のオスは性格が荒くなることもあるので、落ち着くまで見守りましょう。

例:シマリス

大きさ体長12~15cm(しっぽ以外)/しっぽの長さ:10~12cm
茶色、黒色、クリーム色で背中に濃い縞模様
寿命約6年~10年

ハリネズミ

背中に針がはえていて、イガグリのように丸くなるハリネズミ。「針が痛くて触れなさそう」と思っている人もいるかもしれません。ちなみに筆者はハリネズミを飼育したことがあり、日常的にお世話をしていましたが、たしかに少しチクッとしますが、触れないほどではないです。

うるっとしたつぶらな瞳、どこかひょうきんで愛らしい姿に、心をギュッとつかまれてしまう人もいるのでは?

ハリネズミは、ハリネズミ目ハリネズミ科ハリネズミ亜科に属する哺乳動物。アフリカ、ヨーロッパ、ユーラシア大陸の森や草原などに生息しています。

日本でペットとしてよく見かけるのは「ヨツユビハリネズミ」です。ハリネズミ、という日本語名ですが、どちらかというとモグラに近い食虫目の仲間。主に昆虫、ミミズ、カタツムリやナメクジのほか、カエル、トカゲ、鶏の卵、果実、種子、キノコなどを食べています。

ハリネズミは単独で生活する動物なので、多頭飼いには向いていません。

また、夜行性で、もっとも活発に活動するのは21~0時、次に3時くらいといわれています。

ハリネズミは野生下ではエサを探して一晩中歩き回り、もともとかなり活発に活動する、運動量の多い生き物。運動量を確保するため、回し車を設置するのがおすすめです。一生懸命回し車に乗って走り続けている姿は、見ているだけで癒されますよ。

ハリネズミ自体には体臭はほとんどなく、排泄物の臭いもそれほど気になりません。とはいえ、草食性の動物よりは臭いがするので、定期的な巣の清掃は必要です。

何種類かの鳴き声もありますが、大きな声を出すことはありません。マンションなどの環境でも飼いやすいでしょう。

また、仕事などで帰宅が夜遅い人は、ハリネズミが活動している時間帯に適合しているので向いているかもしれません。散歩をさせる必要もないので、飼育にそれほど手間はかかりません。

ただし、ハリネズミは元来、とても臆病な動物。慣れるまでに時間がかかることも多いです。急な物音にビックリしたときには、針を立てて、警戒モードに入ります。また、犬や猫のようにコミュニケーションをとることはできません。

また、ハリネズミは飼育動物としての歴史が浅く、ハリネズミを診察してくれる動物病院は多くありません。いざというときのためにも、事前に病院を調べておくほか、普段から健康管理に気を付ける必要があります。

ハリネズミは暑すぎるのも寒すぎるのも苦手。年中を通して温度管理がとても大切になります。温度は24~30℃で、最適な温度は26度前後で、湿度は40%以下に保つのがよいとされています。寒い時期、暑い時期は、適宜冷暖房を使って、温度管理をしましょう。

「ヨツユビハリネズミ」は冬眠はしませんが、夏眠をすることがあります。夏眠は体に負担をかけ、寿命にも影響があり、最悪命にもかかわるので、夏眠をさせないよう、夏場はとくに注意が必要です。

ハリネズミの針や被毛の色はさまざまで、その色によって、「ソルト&ペッパー」「ブラウン」「チョコレート」などの呼び名で区別されています。

ハリネズミを飼おうと思ったら、ペットショップやブリーダーから購入するケースが多いでしょう。毛色などの好みでつい選びたくなりますが、良好な飼育環境で飼育しているのか、過密飼育していないか、人慣れしているかなど、きちんと飼育管理をしているところから入手したいものです。

例:ヨツユビハリネズミ
大きさ体長18~22cm(しっぽ以外)/しっぽの長さ:2~2.5cm
針の色は白や黒色、茶色など。お腹の色は白色など
寿命約2~5年

リクガメ

これまで、犬猫以外の哺乳類のペットを紹介してきましたが、ちょっと変わったペットとして、爬虫類のリクガメを紹介しましょう。

近年、ペットとしても人気のリクガメ。甲羅を背負ったカメ固有の風貌、よく見ると可愛らしい目、ゆったりとした動きで、野菜をモリモリ食べる姿に癒される人も少なくないかもしれません。

リクガメは、気温や太陽の光など外からの影響を受けて体温が変化する変温動物。野生のリクガメは体温を保つため、場所を移動しながら、極端な温度変化がないように調節しています。

また、リクガメはもともと日本には生息しない外来生物。遠い異国の日本で暮らすためには、温度や湿度の管理が重要になってきます。

リクガメのなかでも、とくにペットとして飼育されているものは、比較的大きくならない「ヨツユビリクガメ」「ヘルマンリクガメ」「ギリシャリクガメ」などの種類。

野生のリクガメは種類にもよりますが、主な食べ物は、野菜や野草、果実や花、多肉植物などの高繊維質で低タンパク質の植物です。

飼育下では、コマツナやチンゲンサイ、ミズナなどの通年で入手しやすい葉物野菜のほか、カブやダイコンの葉、モロヘイヤなどの季節野菜、キャベツやサニーレタス、オクラなどの野菜、バナナやリンゴ、ミカンなどの果物を与えるとよいでしょう。

ちょっと意外に思うかもしれませんが、リクガメは学習能力が高く、飼い主をしっかり認識することができるといいます。なついてくると飼い主の手から一生懸命エサを食べたり、呼び声に反応して後追いをしたりと、コミュニケーションをとれることも。よちよち歩いている姿を見ているだけで、ゆったりとした気持ちになれそうですね。

また、性格はおとなしく草食なので、うんちも他の肉食爬虫類に比べれば臭いも少なく、比較的マンションでも飼いやすいでしょう。

ただ、リクガメはもともと日本固有生物ではなく、変温動物であるため、種類ごとに適した温度・湿度管理が整った環境、照明器具等を用意する必要があります。

「ヨツユビリクガメ」「ヘルマンリクガメ」などの場合は、飼育ケースを昼間は25~28℃、夜間は夜間18~20℃程度に保ちましょう。

ただし、高湿度系の生態なのか、乾燥系の生態なのか、リクガメの種類によって異なるので、事前にきちんと確認しておくことが大切です。

また、カメは寿命がとても長い生き物です。「ヨツユビリクガメ」の寿命は約30年。これから先長い間飼育し続けられるのか、きちんと見極めてから飼育を始めてください。

例:ヨツユビリクガメ
大きさ甲長18~25cm
背甲の色は暗黄色や黄褐色、淡黄色など
寿命約30年

まとめ

ペットと聞くと、犬や猫といったイメージがありますが、いまや多彩な動物がペットとして飼育されるようになりました。

鳴き声が小さい、臭いが少ないなど、賃貸住宅でも飼いやすい動物もいるので、「犬や猫を飼育するのはちょっと難しいかも」と思っていた家庭でも、あこがれのペットがいる生活をスタートさせられるかもしれませんね。

ただ、犬や猫といった代表的な動物以外は、病気やケガのときに診てくれる病院は少ないですし、エサも犬猫用ほどどこでも手に入れられるわけではありません。

飼育前にきちんと動物の生態を知り、日々のお世話に必要なものが揃えられるのか、動物に何かあったときでも対応できる環境が整っているのか、いま一度見直してみることが必要です。

命を預かる責任はもちろんありますが、それ以上にペットが私たちに返してくれる愛情や愛らしさ、喜びは計り知れません。
ぜひ覚悟を&愛情をもって、ペットとの生活を楽しんでください!
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この記事を書いた人

(ほぼ)40歳という高齢出産で、現在4歳の女の子を育児中。
尻尾の生えた娘(猫・6歳)と夫の3人暮らし。
ハリネズミグッズを集めています。

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