絵や写真、文字などからたくさんの刺激を受けることができ、知識を深めることができる図鑑。 身近な食べものや生きものを取り扱っている図鑑が多く、初めて図鑑に出会う幼児のお子さまでも親近感を持ちやすい構成になっています。 好奇心を刺激されたお子さまが自ら図鑑を開いて眺めるようになることも多く、いままであまり本を読まなかった子に読書を習慣づけるきっかけにもなりますよ。 通常の読み聞かせ絵本以外に、図鑑もぜひ取り入れてみたいところですね。
目次
はじめての図鑑選び、何をポイントに選ぶ?
図鑑は読み聞かせ絵本と違い、ストーリー性がありません。そのため「どんな風に読んで声をかけてあげたらよいか分からない…」と悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。 迷ったときは、声かけのヒントが多く記載されている図鑑を選ぶと安心です。 具体的には、注釈・説明文・クイズなどが充実していれば、親子間でコミュニケーションをとりやすく、はじめてでもストレスなく楽しめるでしょう。 持ち上げて読めるサイズや重さの図鑑を選べば、寝かしつけなどで仰向けになった状態でも読み聞かせできますよ。 またイラストや写真、文字情報量などのバランスは図鑑によって違います。お子さまの年齢や発達に合わせて、そのときにぴったり合うものを選びましょう。 できれば購入前に内容を確認して、親子ともにストレスなく図鑑を楽しめるとよいですね。 たとえば0~2歳頃のお子さまは、本をかじったり破いたり落書きしてしまうことがあります。 そんなときはお子さまの個性に合わせて、紙1枚1枚が分厚く汚れにくい加工が施されているボードブックタイプの図鑑を検討するのもよいでしょう。 たくさんの写真やイラストで構成されている図鑑を選べば、まだ文字が読めない年齢でも視覚から知的好奇心が刺激され、きっと本が大好きになってくれると思います。 また3歳~就学直前くらいの年齢になると、ひらがな・カタカナといった文字に対して興味が出てくることもあります。 そんなときは、0~2歳向けにご紹介したイラストや写真以外の要素として、文字情報が少し多く含まれる図鑑を選んでみてください。 ひらがな・カタカナ表記の注釈や説明文が含まれる図鑑なら、文字を覚えたてのお子さまでもいつのまにか自分の力で楽しむことができるようになります。 図鑑を繰り返し眺めるうちに、文字がスラスラ読めるようになったら、お子さまの自信にもつながりますよ。
年代別のおすすめ図鑑
図鑑は、多くの出版社からいろいろなタイプのものが出版されています。イラスト・写真・文字情報のバランスもさまざまで、お子さまの年齢や発達状況にあわせて、ぴったりのものを選ぶことが大切です。 今回は、お子さまの年齢別に0~2歳、3~4歳、5~6歳に区切り、おすすめの図鑑を3冊ずつご紹介します。
0~2歳のお子さまにおすすめの図鑑
0~2歳は、たくさんの刺激を受けて目覚ましい発達を遂げる時期です。 まだひらがなやカタカナの認識や読み書きは難しい年齢ですが、コントラストのはっきりしたイラストや写真を多く取り入れた絵本のような図鑑なら、目で見て十分楽しむことができますよ。 少しずつ発語がみられるようになる年頃でもあるので、パパママと一緒に読んで図鑑に登場するさまざまな言葉のシャワーを浴びせてあげることが、子どもの語彙を増やすきっかけにもなります。
0・1・2歳のゆびさししゃしんずかん たべもの どれがすき
2021年7月に発売されたばかりの赤ちゃん向けの写真図鑑で、子どもにとって日常でもっとも目にする食べ物の写真が多く掲載されています。 「たべもの」では内容が8つのテーマに分かれていて、視覚から好奇心をくすぐる身近な「くだもの・やさい・ごはん・パン・めん類・レストラン・おやつ・お菓子」をラインナップ。 小さなお子さまでも認識しやすいコントラストのはっきりした大きめの写真を採用しているので「これなあに?」「どれがすき?」と声をかけながら、認識力を高めることができます。 写真を指で撫でたり、つまんで食べる真似をして、おままごと遊びをするのも楽しいですね。 汚れに強い、角が丸く加工されたボードブックタイプなので、お子さまの手の届くところに置いても破れや汚れの心配がなくて安心。 各写真の近くには名称のほか、楽しい擬音を多く取り入れた説明文も添えられていて、読み聞かせ初心者のパパママも安心して使えます。 シリーズとしては現在4種類あり、「たべもの」以外に「どうぶつ」「のりもの」「はたらくのりもの」が刊行されています。 【概要】 名称:0・1・2歳のゆびさししゃしんずかん たべもの どれがすき 出版社:ひかりのくに
アンパンマン はじめてのことばえほん わくわく フレーベル館
アンパンマンが大好きなお子さまには、こちらの図鑑がおすすめです。 この図鑑はテーマ別に全部で4種類(「わくわく(動物・食べ物・体・色)」「すくすく(動きと挨拶)」「にこにこ(様子と気持ち)」「ぐんぐん(乗り物・植物・持ち物・数)」)刊行されています。 今回ご紹介する「わくわく」は、身近な動物や食べ物、体、色の名前を中心に取り上げているので、とくにはじめて図鑑に出会うお子さまにぴったり。 角が丸く加工されていて、破れや汚れに強いボードブックタイプなので、目を離したすきにイタズラしてしまうお子さまにも安心してプレゼントできますよ。 優しくかわいいタッチのイラストは、テレビアニメを制作するトムス・エンタテイメントが作画を担当。 アニメに登場するキャラクターが随所に描かれているので、アンパンマン大好きなお子さまなら興味を示すこと間違いありません。 アンパンマンやジャムおじさんといったメインキャラクターだけでなく、たまにしか登場しないレアなキャラクターも数多く描かれているので、キャラクター図鑑としても楽しめます。 それぞれの名称には英語が併記されているので、将来成長して英語に興味を持ち始める頃まで長く使える点が嬉しいですね。 また、各ページの左上に楽しい導入文が添えられているほか、右上には「ど・こ・か・な?」と題して指定された絵がどこに描かれているか探す遊びができるようになっています。 「図鑑ってどう読み聞かせたらいいの?」と迷うパパママも安心ですよ。 【概要】 名称:アンパンマン はじめてのことばえほん わくわく 出版社:フレーベル館
はじめてずかん これ、な~に?650 永岡書店
言葉を覚え始めた頃の小さなお子さまにぴったりな、コントラストがはっきりした大きめの写真で構成された図鑑です。 掲載されていることばは、なんと全部で650種類。 1ページあたり10以上の写真とことばが掲載されているので、開くだけで溢れんばかりの多くの刺激に触れることができます。 内容は定番の「どうぶつ」「むし」「はな・しょくぶつ」「やさい」「くだもの」だけでなく、覚えておきたい「はたらくくるま」「れっしゃ」「ひらがな」「アルファベット」「あいさつ」「いろ・かず・かたち」などのジャンルも網羅しているので、いろいろな言葉を総合的に覚えることが可能。 すべての名称に英語が併記されているので、お子さまが英語に興味を持ち始める頃まで長く使えますよ。 ほかの図鑑にはあまり出てこないジャンル「ひらがな」では、五十音順に並んだひらがなとともに、それぞれの文字で始まる生きものなどの写真が添えられています。 写真をみて名称を覚えるだけでなく、同時にひらがなの読み方まで学べる点が珍しく、画期的といえるでしょう。 【概要】 名称:はじめてずかん これ、な~に?650 出版社:永岡書店
3~4歳のお子さまにおすすめの図鑑
3~4歳は、少しずつひらがなやカタカナを目で見て区別・認識できるようになったり、知的好奇心が大きくなってくる年頃です。 図鑑は興味のある分野のことを深く知ることができるので、たくさんの情報から学びを得る楽しさを味わうことができますよ。 図鑑には将来の学習意欲を高める効果があると言われており、絵や写真だけでなく文字や映像といった情報の豊富さ、まだ幼児のお子さまに飽きさせない内容構成であるかどうかも、図鑑選びのポイントになってきます。
じぶんでよめる しょくぶつずかん
ひらがなを1文字ずつであればすべて読めるようになった。でも単語や文章を読むのは億劫なようで、一人で絵本や図鑑を読もうとはしない…。そんな悩みを持っている方におすすめ。 「じぶんでよめる」と銘打たれていることでお子さまの負けん気に火がつく場合も多く、発売以降多くの方に支持されています。 この図鑑は特徴を捉えた写真を使用し、ひらがな中心の文章が添えられているので、初めて出会う図鑑としてもぴったりです。 シリーズとしては「しょくぶつ」「こんちゅう」「さかな」「でんしゃ」「のりもの」「いきもの」「きょうりゅう」の7種類刊行されているので、お子さまが興味を示しそうな分野を選んでプレゼントすれば、夢中になってくれること間違いなし。 ご紹介する「しょくぶつ」では、チューリップやヒマワリといった代表的な植物だけでなく、家庭の花壇や鉢植えによく植えられているものや、道路脇に植えられている花や街路樹についても記載されています。 身近な植物がたくさん掲載されているので、散歩やドライブが一層楽しくなりますね。 【概要】 名称:じぶんでよめる しょくぶつずかん 出版社:成美堂出版編集部
はっけんずかん たべもの まどあきしかけ 学研プラス
「はっけんずかん」シリーズの大きな特徴は2点あります。 1点目は、イラストと写真のページが交互に出てくること。読む子どもたちを飽きさせない仕組みになっています。 多くの図鑑はイラストのみ・写真のみに絞られていることが多く、偏りなく目に触れることができるのが嬉しいですね。 2点目は、イラストページには触ってめくれる「しかけとびら」が複数配置された、しかけ絵本であるという点。 めくる前と後ではイラストが大きく変化するしかけが施されているので、読む子どもに大きな刺激を与えることができます。 なお、「しかけとびら」の近くに書かれた説明文はクイズ形式になっているので、親子同士でコミュニケーションをとりながら楽しめますよ。 ご紹介した「食べ物」以外に全6種類のシリーズがあり、「どうぶつ」「のりもの」「きょうりゅう」「むし」「うみ」「しょくぶつ」「しんかんせん」が刊行されています。 お子さまが興味を持っているジャンルに合わせて選べば、きっと夢中になってくれることでしょう。 【概要】 名称:はっけんずかん たべもの まどあきしかけ 出版社:学研プラス
講談社の動く図鑑 MOVE はじめてのずかん みぢかないきもの 講談社
この図鑑は脳医学者監修のもと、お子さまの脳を育てるしかけをたくさん取り入れているのが特徴。 NHKが作成したDVD(30分間の映像)が付属しており、図鑑を読むだけでなく動画を通して視覚からも刺激を受けられます。DVDについても対象年齢は2歳~と、小さな子どもでも理解できるやさしい内容となっています。 生きものについては動物学者が監修しており、図鑑・DVDともに対象年齢は2歳からと低年齢ながら、本格的で信頼できる図鑑となっています。 シリーズとしては「みぢかないきもの」以外にも「こんちゅう」「どうぶつ」「きょうりゅう」の3種類を刊行。 なかでも「はじめてのずかん みぢかないきもの」は、お子さまが一番最初に出会う図鑑として製作されており、小さな子どもにとって身近で大好きな生きものを網羅しています。 巻末の昔話のコーナーでは、十二支も覚えられますよ。 図鑑は読み聞かせが難しいと思われがちですが、クイズやコラムも多く取り入れているので、お子さま一人で読むことはもちろん、パパママと一緒に会話しながら楽しむことができますね。 【概要】 名称:講談社の動く図鑑 MOVE はじめてのずかん みぢかないきもの 出版社:講談社
5~6歳のお子さまにおすすめの図鑑
5~6歳になると、ひらがな・カタカナの読み書きがスラスラできるお子さまの割合が少しずつ増加。 興味のあることをいままで以上に深く知りたくなり、自分の力でどんどん知識を積み重ねていく年頃です。 現時点で強く興味を持つ分野がはっきりしているなら、写真や文字情報たっぷりでその分野をより深く知ることができる図鑑を選びましょう。 クイズやなぞなぞといった、低年齢向けにはなかった少し高度な遊び要素が含まれていることも多く、問題を出し合うことでパパママとのコミュニケーションにも大活躍です。
こども百科 4・5・6歳のずかんえほん のりものの本 講談社
この図鑑はここまで紹介してきた図鑑とは少し雰囲気が変わり、ひらがなやカタカナをスラスラ読めるようになってきたお子さまにおすすめ。 「のりものの本」では、日常で見かける車や新幹線だけでなく、深海調査船や宇宙船まで載っている豊富なラインナップが特徴です。 写真と文字数をたっぷり使って乗り物の情報を詳しく分かりやすく説明しているので、なんでも知りたがる知的好奇心や探求心を刺激すること間違いなし。 巻末にはクイズやなぞなぞもあるので、より楽しく理解を深められますよ。 シリーズとしてはご紹介した「のりものの本」以外に「きょうりゅうの本」「はな・やさい・くだものの本」「うみのいきものの本」「どうぶつの本」「こんちゅうの本」の5種類が刊行されています。 【概要】 名称:こども百科 4・5・6歳のずかんえほん のりものの本 出版社:講談社
なぜ?の図鑑 (ニューワイド学研の図鑑i)からだ
子どもたちの「なぜ?」に答えることをテーマにした図鑑です。 普段疑問に思う不思議を60項目挙げ、それらに答える形式で内容が展開されていくので、お子さまだけでなく大人も一緒に、疑問を知識に変えていける仕組みになっています。 たとえばからだの図鑑では「なぜ息をするの?」「なぜおなかがすくの?」といった身近な疑問が各ページのテーマになっているところが特徴。 初めて図鑑を手にするお子さまも小難しい印象を受けることなく、楽しく知識を深めることができますよ。 シリーズとしては「からだ」以外に、「イヌ」「科学マジック」「ネコ」「宇宙」「魚」「植物」「恐竜」「動物」「昆虫」の9種類刊行されていて、たくさんの身近な「なぜ?」に答えてくれます。 【概要】 名称:なぜ?の図鑑 (ニューワイド学研の図鑑i)からだ 出版社:学研プラス
せんせい!これなあに? 4 野原の葉っぱ
この図鑑は生き物に詳しくなくても「木の枝にそっくり!」「頭につのがある!」などといった見た目の特徴から、その生き物の名前を調べることができます。
「野原の葉っぱ」では身近に生えている雑草の葉っぱの特徴を「毛だらけ」「ハートのかたち」などといったテーマ別に解説。
分かりやすく大きな写真がたくさん採用されているので、実際に見つけた葉っぱと図鑑を見比べて、その植物の名前が何なのか簡単に調べることができます。
内容は写真が中心で文字の量は少なめ・漢字にはすべてふりがなつき。
対象年齢表記は小学校低学年からとなっていますが、ひらがなカタカナがすらすら読めるようになってきたら、未就学児でも好奇心を刺激し楽しく眺めることができるでしょう。
シリーズとしては現在6種類あり、「野原の葉っぱ」以外にも、「いもむし・けむし」「海の生きもの」「木の実・草の実」「おち葉」「生きもののサイン」が刊行されています。
【概要】
名称:せんせい!これなあに? 4 野原の葉っぱ
出版社:偕成社
まとめ
0~2歳・3~4歳・5~6歳の年齢別に、おすすめの図鑑を3冊ずつご紹介しました。 図鑑を読むことは、お子さまの知的好奇心を刺激し将来の大きな成長につながっていきます。 強く興味を持っている分野があるならその分野の図鑑を。まだはっきりしていない場合は、身近なものがたくさん載っている図鑑から始めてみるのがポイント。 できれば書店などで内容を確認し、お子さま一人ひとりに合った図鑑を探してみてください。
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