心を整える「マインドフルネス」で子育て中のモヤモヤをすっきり!!

子育て中のお父さん、お母さんのなかには、「家事や育児、仕事に追われてあっという間に1日が終わる」「自分のことより、子どもや家族のことばかり優先している」など、忙しい日々を過ごしている人も多いと思います。

「時間も余裕もないし、日々疲れやイライラがたまっているのはわかっているものの、イライラが溜まっていくばかりで、どうしたらいいのかわからない」……なんていう人は、「マインドフルネス」を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。

今回は、子育て中のストレスを軽減する「マインドフルネス」についてご紹介します。
目次

マインドフルネスとは

「マインドフルネスって何?」「なんか難しそう」と思った人もいるのでは?

「マインドフルネス」とは、“自分の身体や心に意識を向け、心の状態に気づく能力を高める手法のこと”です。

瞑想を基本とした脳と心のトレーニング方法で、「いまこの瞬間の体験に、価値判断することなく、能動的に注意を向ける」というもの。

具体的にいうと、たとえば「1歩1歩歩くことに集中する」「食べること、呼吸することに集中する」といった具合です。瞑想と聞くと、修行僧がおこなうような難しそうなイメージがあるかもしれませんが、これなら日々の生活のなかで、無理なく実践できそうですね。

「マインドフルネス」のルーツは仏教の禅だといいます。
およそ2500年前、仏教を開いたブッダは、人間が正しい生き方を実践するための方法として、「八正道(八支正道)」という教えを説きました。
8つの方法のひとつである「正念(正しい心の在りようで生きること)」を英語で表現した概念が「マインドフルネス」とされています。

マインドフルネスで期待できる効果

「マインドフルネス」をおこなうことで、心や脳にたまったイライラ、怒り、不安、心配といったストレス感情に素早く正しく気づくことができるようになり、心や脳が穏やかに休息する時間を定期的にもてるようになります。

人間は、脳内であまりに多くの情報を処理すると、自分の注意をコントロールできなくなるといいます。「気づいたら関係ないことを考えている」「注意が散漫になる」「頭がぼんやりとして集中できない」といった場合は、脳が疲れている状態なのかもしれません。

日頃から「マインドフルネス」を実践している人は、目の前の仕事に取り組んでいるときに雑念がわくことが少なくなり、目の前のことに集中できるようになるため、無用な雑念でエネルギーを消耗することが少なくなります。

また、「マインドフルネス」を通じて、“自分の考え方のクセに気づくこと”も大事です。

たとえば、「いつも自分はこういうときにカーッとなる」「人間関係でトラブルがあると、わたしはいつも会社を辞めたくなる」といったように、自分の心の動きを観察するのを習慣にすると、自分の思考のクセが徐々にわかってくるはずです。

状況を俯瞰して見られるようになると、自分の心のなかに起こる“心の選択肢”が増えていきます。

いままではただ単に「むかつく」という感情しかなかったところ、「相手には〇〇といった事情があったのかも」「悪気はなかったのかも」といったように、“心の選択肢”が増えていけば、そのなかで一番建設的な思考を選べるようになり、それに伴って“行動の選択肢”も広がります。

ストレスでいっぱいになると、視野は狭くなるものです。しかしこうして状況を俯瞰して、一番よい選択肢を選び取れるようになれば、自然とそれ以上怒りの気持ちがわいてこなくなるのです。

「マインドフルネス」を実践していくと、視野が広がって、「自分だけがこんな目にあっているわけじゃないんだ」と周りがみえてくるようになるでしょう。

余計なストレスを取り払い、脳をクリアにすることで、集中力を維持したり、ストレスをコントロールしたりできるようになり、仕事や活動がスムーズに進められるようになります。

子育て中には思うようにならないことが多く、イライラやストレスが溜まりがちです。「マインドフルネス」を実践していくことで、ストレスやイライラが減り、大切な人間関係が平和に穏やかに整っていくはずです。

基本のマインドフルネス呼吸法

さて、次に「マインドフルネス」の簡単な呼吸法を紹介しましょう。難しくないので、時間がなければ、1日5分でも1分でもよいので、まずは始めてみましょう。

集中瞑想

まず、瞑想をするときに大切なことは、「調身」(姿勢)、「調息」(呼吸)、「調心」(心を整える)の3つ。

姿勢は特別なものでなくてもよく、座禅のように足を組む、椅子に深く腰掛けて背筋を伸ばしておこなうなど、やりやすい姿勢でOKです。

1.調身=姿勢
背筋を伸ばし、1度肩をすくめるように力を入れてから、脱力してストンと肩を落とします。

椅子に座る場合は、両足は床に着けて、両手は太ももの上に置き、両手を軽く握ります。

目は閉じてもよいですし、まぶたを少しだけ開く半眼にして、1メートルくらい先をぼんやり見ても、どちらでもOKです。

2.調息=呼吸
5秒ぐらいかけて鼻から息を吸い、10~15秒かけてゆっくりと、鼻あるいは口から吐きましょう。

3.調心=集中、観察
もっとも基本的な調心は、ひとつの対象に集中する「集中瞑想」です。

「集中瞑想」は、“自分の呼吸”や“目の前にある物”など、ひとつの対象に集中して瞑想をおこないます。

初心者は呼吸に集中するのがおすすめ。呼吸の数を「ひとーつ」「ふたーつ」とゆっくり数えながら、呼吸に集中します。

このとき、自分の意識では、「ひとつの対象(呼吸)に注意を向ける」→「しばらくするとつい別のことを考えて注意が散漫になる」→「再び、対象に注意を戻す」という3つのプロセスを繰り返しています。

もし、注意が散漫になったら、焦ることなく、まずは「散漫になったな」と自分の状態を落ち着いて観察し、ゆるやかに呼吸に注意を戻しましょう。心が乱れると、姿勢や呼吸も乱れてくるので注意。基本となる「集中瞑想」から、まずは練習してみましょう。

ビジネスやスポーツ界でも注目される「マインドフルネス」

ストレスやイライラの軽減、集中力を高める効果があることが、科学的に実証されているマインドフルネス は、現在、様々な場面で活用されています。

マインドフルネスをいち早くビジネスの世界に取り入れたのが、世界的企業のグーグル。2007年から「サーチ・インサイド・ユアセルフ(Search Inside Yourself=SIY)という、マインドフルネスを取り入れた能力開発プログラムを始めました。

2000年代になってグローバル化の進展に伴い、企業のCEOやビジネスパーソンたちも、「マインドフルネス」に注目するようになっています。

また、テニス選手のノバク・ジョコビッチ氏が、メンタルトレーニングの手法として「マインドフルネス」を取り入れるなど、スポーツ界でも積極的に導入をしています。

子どもの教育にも「マインドフルネス」

このように、さまざまな分野で「マインドフルネス」が実践されるようになっていますが、子どもの教育にも「マインドフルネス」が取り入れられています。

近年、発育中の子どもの脳にとって、過度のストレスは有害な影響をもたらすことが確認されています。「マインドフルネス」のトレーニングは、子どもの心を落ち着かせ、集中力を高めるといった効果が期待できるだけでなく、学習と感情のバランスを保つことにもつながります。

オランダでは、学校教育の現場で「マインドフルネス」が活用されているそうです。

エリーン・スネル著の書籍『親と子どものためのマインドフルネス——1日3分!「くらべない子育て」でクリエイティブな脳とこころを育てる』は、2015年にオランダで出版されました。

もともと、オランダの子ども向けプログラムとしてつくられたものですが、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、デンマークなど教育先進国でベストセラーになり、現在は27ヵ国で出版されています。

子どもでもわかりやすいように、基礎の基礎から丁寧に解説しているので、「マインドフルネス」初心者でも簡単に読み進められ、生活に取り入れられそうです。

また、子どもの「痛み」「恐れ」「不安」などといった感情を、子ども自身から切り離して、自分の身体に起こっていることを客観的に見ることで、マイナスの感情を和らげる方法など紹介している動画なども、インターネットで公開されています。

子どもと一緒にできる、「マインドフルネス」の本・動画

「マインドフルネス」は大人はもちろん、子どものストレス緩和や感情の落ち着き、集中力アップなどにも効果があることがわかっています。

下記に、子どもと取り組める「マインドフルネス」の本や動画をいくつか紹介しておきます。
『親と子どものためのマインドフルネス 1日3分!「くらべない子育て」でクリエイティブな脳とこころを育てる』エリーン・スネル(著)
『心が落ち着き、集中力がグングン高まる! 子どものためのマインドフルネス』キラ・ウィリー(著)
『10代の心理をサポートするワークブック② インスタントヘルプ! 10代のためのマインドフルネストレーニング』エイミー・サルツマン(著)
『学校と家庭でマインドフルネス!1分からこころの幸せ・安心を育む63のワーク』戸塚真理奈(著)

■動画

・「初心者にも子供にも超簡単!集中力のいらない瞑想のやり方|マントラ瞑想法」
https://www.youtube.com/watch?v=bG4ZHHoxjRM&t=5s



・「マインドフルネスが子育てに役立つ理由」
https://www.youtube.com/watch?v=UzinDjv5kYM


・「【0歳児】抱っこ育児にお疲れのママパパへ 深呼吸をして赤ちゃんと一緒に抱っこマインドフルネス瞑想。ベビーダンスの締めくくりはマインドフルネス」
https://www.youtube.com/watch?v=6779TyKOLfI


・「親子のためのマインドフルネス①|呼吸に意識を向ける」
https://www.youtube.com/watch?v=PhGnGQ_iJpA


大人として普段ふるまっている私たちですが、子育てにはわからないこと、思うようにならないことも多く、忙しい日々のなかで、つい感情が爆発しそうになったり、イライラを溜め込んだりしがちですよね。

「マインドフルネス」瞑想というメンタルトレーニングには、ストレスを緩和したり、感情をコントロールしたりする効果があります。

また大人だけでなく、子ども自身も学校や生活のなかで、ストレスを抱えていることもあります。

大人も子どもも、ストレスを和らげ、リラックスした心身の状態になれる「マインドフルネス」。まずは、1日数分でよいので、毎日子どもと一緒に「マインドフルネス」を実践してみませんか。

参考:
https://up-to-you.me/article/735
https://blog.goo.ne.jp/chorianks/e/37133d9770a1ea39aaba59cd1cb4e66a

参考書籍
・『ストレスと疲れがみるみる消える! 1分間どこでもマインドフルネス』奥田弘美著 日本能率協会マネジメントセンター
・『疲れない脳をつくる生活習慣 働く人のためのマインドフルネス講座』石川善樹著 プレジデント社
・『会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン』川野泰周 すばる舎
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この記事を書いた人

(ほぼ)40歳という高齢出産で、現在4歳の女の子を育児中。
尻尾の生えた娘(猫・6歳)と夫の3人暮らし。
ハリネズミグッズを集めています。

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